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低用量ピル

低用量ピル(OC)について

低用量ピル(OC)について低用量ピル(OC:oral contraceptives)は、避妊用のピルとして有名ですが、排卵を抑制し、生理を調整することが可能なため、子宮内膜症月経困難症の治療、過多月経の重い症状の抑制に効果を発揮します。
そうした症状を抑制するために、避妊用の低用量ピル(自費)を使用する場合もあります。
最近では、子宮内膜症や月経困難症の治療で、保険が適用される超低用量ピルを使うことが基本となっています。
また、生理周期をコントロールすることもできるため、体調の確認やスケジュール管理にも役立ちます。
当院では、ピルの効果、危険性についてきちんと説明した上で、患者様にピルをお渡ししますので、一度ご相談ください。

また、現在使っているピルが合っていない気がする方も、一度ご相談ください。

低用量ピルを推奨する方

  • 避妊を希望している
  • 生理痛が重い
  • 経血量が多い
  • 生理周期が乱れている
  • 生理になるとニキビがよくできる
  • 生理中によく肌が荒れる
  • 生理前のイライラなどPMS・PMDDで困っている

低用量ピルの効果

  • 月経痛の軽減
  • 過多月経の解消
  • 生理不順の解消
  • 肌荒れの解消
  • 月経前不快気分障害・月経前症候群の解消
  • 子宮内膜症・卵巣がん・子宮体がん・大腸がんの発症防止
  • 避妊効果8%

ピルの副作用

  • 不正出血
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 倦怠感
  • 胸の張り
  • むくみ
  • 血栓症(下肢静脈血栓症、脳梗塞、心筋梗塞)

など

ピルを使用し始めて、稀に吐き気や不正出血、頭痛、胸の張り、むくみなどの副作用が生じる場合があります。
しかし、1~2ヶ月で治まることがほとんどで、長引いても3ヶ月以内に解消することが大半です。
最もよく起こる不正出血では、色が付いたおりものが生じ、生理の終わり間際くらいに出血が長引く場合があります。
次第に状態は落ち着くため、経過観察で対応し、再診の際に改めてご相談ください。頭痛には市販の鎮痛剤を使っても問題ありません。吐き気止めをお渡しすることもできます。

血栓症について

ピルを使用する場合、確率は低いですが、血栓症が生じるリスクが少なからずあることを知っておいてください。血栓症によって血管内部に血の塊が生じると、心筋梗塞や脳卒中などの深刻な疾患に繋がる恐れがあります。

ピルを使って血栓症が生じるのは、1万人中9人程度と言われています。また、亡くなる方は10万人に1人程度の割合で、非常に稀です。しかし、副作用として注意する必要があります。血栓症の多くは前兆が見られるため、初期症状やリスクについてきちんと把握することで、深刻な事態を回避することができます。

血栓症の初期症状

  • ふくらはぎの痛み、痺れ、むくみ
  • 胸部が締め付けられる、押しつぶされるような痛み
  • 急な息切れ、胸の鈍痛
  • 目の前が暗くなる、視野狭窄
  • 強い頭痛、失神、めまい
  • 喋りづらい、舌がもつれる

など

※上記のような症状が起こった際は、服用を中止し、直ちに救急病院にご相談ください。
※ふくらはぎの症状は片側に生じることがほとんどですが、両側に生じる場合もあります。

血栓予防のために注意すること

  • 適度な水分補給
  • 禁煙
  • 長時間同じ姿勢を続けない
  • 適正体重のキープ、適度な運動

長時間の運転、4時間以上の飛行機移動、勉強・仕事・ゲームなどで座った状態のままになる場合は、こまめな水分補給、その場で足踏みする、適度に休憩を取ってストレッチしたり少し歩いたりなどを意識しましょう。

当院で対応している
低用量ピルと料金

低用量ピル

ラベルフィーユ 1シート:2,750円
3シート:7,500円
ファボワール 1シート 2,750円
3シート 7,500円

※上記以外にも、保険適用のピルなど症状に応じて処方しております。(ヤーズフレックス、フリウェル、ジェミーナなど)
※避妊ではなく、月経困難症などの治療で使用する低用量ピル(LEP)の処方には保険が適用されます。

将来の妊娠への影響

ピルを使用することで、将来の妊娠・出産、赤ちゃんに影響が及ぶことはありません。
妊娠を望んでいる方は、ピルの使用を止めることで、排卵が再び始まり、妊娠できる状態に戻ります。
また、ピルの服用を中止して一定期間経ってから妊活をするのではなく、妊活を始める直前まで使用していても問題ありません。

ピルの服用で太る?

「太りたくないからピルは飲まない」と仰る方もいらっしゃいますが、世界の複数の研究報告を見ても、ピル服用と太ることは関係がないと考えられています。
なお、ピルの服用によって女性ホルモンのバランスが整い、保水力が上がることで、体内の水分量が増加して太ったように思う可能性はあります。
しかし、脂肪ではなく水分ですので、運動や適度な水分補給を心がけることで調整することが可能です。

低用量ピルのよくある質問

低用量ピルに避妊効果はありますか?

低用量ピルは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2つの女性ホルモンを合わせた錠剤です。
正しい服用で99%以上の避妊効果を示しており、緊急避妊薬やコンドームよりも効果が高く、月経前症候群(PMS)や生理痛などにも有効です。

低用容量ピルは何歳まで使えますか?

低用量ピルは、一定の基準をクリアすれば閉経まで使えるとされていますが、通常は40歳までとされています。
血栓リスクは飲み始めの数ヶ月に最も高くなるため、40歳以降に内服を開始する場合はは血栓症のリスクを考慮する必要があります。
特に血栓リスクのある既往症がある方、妊娠高血圧の経験がある方、BMI30以上の肥満の方、血管性病変や脂質異常症を伴わない糖尿病を患っている方は使用継続をよく検討することが重要です。
内服開始の年齢については初経後の方であれば問題ないとされていますので、内服によるメリットデメリットをよく相談し、治療方針を決定することが大切です。

ピルの使用中に不正出血が起こった際はどうすべきですか?

出血量が少なければ、通常通り使っても構いません。なお、大量出血やめまい、腹痛などの症状がある場合は、当院までご相談ください。