コルポスコピーについて
子宮の頸部や膣の表面を拡大して緻密に観察できる顕微鏡(コルポスコピー)を使用する検査を、コルポスコピー検査と言います。
6~40倍まで拡大することができるため、目視では見つけられない病変も見つけることが可能です。
基本的に、コルポスコピーによる確認結果と、疑わしい病変部位の組織診(病理検査)の結果を考慮して診断します。
コルポスコピー検査を
受けた方が良いタイミング
主に、子宮頸がん検診(細胞の検査)で異常が見つかった方へコルポスコピー検査を実施します。
検査では、病変の程度や範囲、明白ながんの有無をチェックします。したがって、精密検査として組織検査を実施する際や、細胞異常の方の経過観察で実施します。
検査について
検査内容
内診の際に子宮頸部に酢酸を塗り、コルポスコピーで拡大観察します。
疑わしい病変部位は、鉗子という組織を採るための特別な器具を使って、米粒の半分くらいの組織を2~4か所くらい取ります。
検査が終わったら止血剤を塗り、出血を防ぐためにガーゼを1枚挿入します。
検査時間
検査全体の所要時間は5~10分程度ですが、組織採取に要する時間は1~2分程度です。
なお、検査後の出血の状態によっては、出血が止まるまで院内で30分程度安静にしていただくこともあります。
麻酔について
麻酔なしでも検査が可能で、基本的に痛みはあまり生じないとされています(人によって程度は異なります)。
病理組織検査の結果
病理組織検査の結果が出るまでに2週間程度必要です。
注意
血管や心臓、脳の疾患の治療、もしくは痛みを緩和するために、抗血栓薬(バファリン、バイアスピリン、ワーファリン、オパルモンなど)を服用している方は、検査で出血が止まりづらくなるため、検査を行えないことがあります。
なお、お薬を処方した担当医の判断で休薬が可能な場合は、検査を行えることもあります。
検査の注意点
検査の偶発症について
- 検査で出血が起こる可能性がある他、非常に珍しいですが感染が起こることもあります。
- 感染を防ぐための抗生物質や止血剤を使用することがあります。
検査前の注意事項
月経期間には、検査のご予約を入れないようにしてください。
検査後の注意事項
出血について
- 基本的に、検査後数日~1週間くらいは、色のついたおりものや微量の出血、軽度の下腹部痛などが起こる場合があります。
- タンポンは使わず、ナプキンを使用してください。
- 検査後に出血が止まらない場合が稀にあります。止血ガーゼでも出血を抑えられない場合は、当院までご相談ください。
入浴について
- 検査当日はシャワー浴であれば可能です。
- 出血量が減っていれば、次の日から入浴しても問題ありません。
- 銭湯や温泉などは、出血が止まってから行くようにしましょう。
性交渉について
検査で組織採取した部位に刺激が加わると、出血が再度起こる恐れがあります。
そのため、性交渉は1週間程度控えるよう、お願いいたします。
日常生活について
当日の飲酒は厳禁です。また、いつもより多少安静にすることを意識してください。
費用について
料金 | 5,000円(保険適用3割負担の場合) |
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定期的に子宮頸がん検診を
受けることをお勧めします
子宮頸部の異常は慢性化する恐れがあるため、こまめに子宮頸がん検診を受診しましょう。
よくある質問
コルポスコープ検査で痛みは生じますか?
人によって異なりますが、痛みはほぼ生じないか、あったとしても軽いため、原則麻酔は使用しません。
なお、婦人科の診察で生じる違和感や痛みに抵抗がある方も少なくありません。
激しい痛みが生じたことがある方は、前もって鎮痛剤(坐薬や内服)を使うこともできます。
コルポスコピー検査の所要時間を教えてください。
5~10分程度です。内診台の上で、コルポスコピーと呼ばれる特別な拡大鏡を使って病変を確認します。
病変を見つけやすくするために観察前に酢酸を塗りますが、多少しみる場合があります。
検査中に疑わしい病変組織が見つかれば、組織を病状に応じて数ミリ程度、1~4か所採取します。
組織採取をした後は出血が止まっていることをチェックし、ガーゼを挿入します。
コルポスコープ検査ではどんなことが確認できますか?
膣内や子宮頸部を検査し、組織を採取することで、疾患の有無、進行度合い、範囲などを的確に把握することが可能です。