- 婦人科の検査について
- 子宮頸がんとは
- 結果について
- 金沢市がん検診
(すこやか検診と集団検診) - 子宮がん検診の二次検査(精密検査)について
- HPVワクチン
(子宮頸がん予防ワクチン) - 子宮頸がん検診とワクチンの
よくある質問
子宮がん検診について
当院では、年1回の子宮がん検診を推奨しています。
症状が起こっている方、もしくは精密検査で経過観察となっている方は保険診療で実施します。
金沢市子宮がん検診
金沢市在住の方が2年に1度のみ受けられるがん検診
レディースチェック
基本セット:超音波検査、子宮がん検診 採血
※オプションとして性感染症の確認、その他ご希望に合わせて検査メニューを加えることが可能です。
※通常の人間ドックなどで実施している子宮がん検診とは、「子宮頸がんの細胞診」と「内診」の検査を指します。
金沢市の検診についても同様です。
- 卵巣や子宮にある、触って確認できる大きさの腫れの有無
- 子宮頸がんの有無
- 卵巣がんの有無
- 子宮体がんの有無
- 軽微な卵巣の腫れや子宮内膜症
- 小さな子宮筋腫
しかしこれは、人間ドックなどで見落としたのではなく、卵巣のう腫や子宮筋腫を見つけるための超音波等の画像検査を受けていなかった場合が多いです。
この場合の検査は、以下を実施します。
- 子宮体がんの有無:子宮体がんの検査(子宮内膜細胞診、子宮内膜生検)
- 卵巣や子宮の疾患の検査:超音波検査(経腟)
金沢市の子宮がん検診を受診する際、基本の検査メニューに経腟超音波は含まれていないため、「必要ないのでは?」と考える方もいらっしゃいます。
しかし、この検査は婦人科においてメインの検査の1つであり、非常に重要ですので、追加で受診することを推奨しております。
子宮体がんの検査は必ずしも全員が受けるものではありません。
子宮体がんの細胞診の検査の精度が低いこと、不正出血等のがんに伴う症状が出現してから診断しても治療成績に大きな差がないことから必要な方にのみ検査を実施することが多いです。
おりものや不正出血の増加といった症状が起こっている場合、または超音波で内膜の変化が確認された場合に検査をおすすめしています。
医師と話し合って、検査の実施をご検討ください。
婦人科の検査について
子宮頸がんの細胞診、超音波検査の所要時間は、合計で5分未満です。
子宮頸部細胞診
子宮の入り口を確認するために膣鏡と呼ばれる器具を挿入し、専用のブラシなどで軽く擦り、子宮の入り口の細胞を採取します。
婦人科内診
膣内に指を挿入し、腹部から手で押さえながら、子宮のサイズや巨大な卵巣がないかをチェックします。
超音波検査
細長い超音波の器具を膣より挿入し、卵巣や子宮に異常がないかを画像でチェックします。
腹部エコーに比べ、小さな腫れや病変も見つけることが可能です。
子宮頸がんとは
子宮頸がんは、子宮頸部(子宮の入口)に生じるがんのことです。
子宮頸がんの多くは、性行為によって感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因になるといわれています。
感染しても90%の方は免疫でウイルスを除去できますが、残り10%の方は除去できずに持続感染となります。
持続感染が長期にわたる場合、異形成などの前がん病変に変化し、子宮頸がんに進行します。
ただし、前がん病変(異形成)の段階で発見し、経過観察しながら、状況に応じて円錐切除などの治療を行えば、進行がんを防止できます。
日本ではHPVワクチンの接種を中止していた時期があったこと、子宮頸がんの検査を受ける方が少ないことなどから、子宮頸がんへの対応については海外と比べると遅れているのが現状です。
子宮頸がんは、早期発見によって進行を防ぎながら治療できる可能性が高いがんです。そのため、定期的な子宮がん検診の受診をお勧めします。
結果について
結果は1週間後に分かりますので、後日改めてご来院ください。
金沢市がん検診
(すこやか検診と集団検診)
対象者
金沢市にお住まいで20歳以上の方
※国民健康保険に加入する20歳以上の方で金沢市から受診券が届いた場合はすこやか検診(個別検診)、その他の20歳以上の方は集団検診で受診ください。2年度に一度の受診が可能です(前年度に受診していない場合)
※治療中の方は受診が難しいこともあるため、予めご相談ください。※治療中や症状が起こっている方は保険診療で実施します。当年度に21歳になる方で受診券を持っている場合は、当日受付にご提出をお願いします。
料金
子宮頸部細胞診 | 1,100円 |
---|---|
子宮頸部細胞診+超音波検査 | 2,500円 |
子宮がん検診の二次検査
(精密検査)について
検診で異常を指摘された方は、精密検査を受診ください。
当院ではがん検診の二次検査(コルポスコープ下の組織診・HPV検査)も行っています。
別の医療機関でがん検診を受診した場合は、その結果も忘れずにご持参ください。
検査の時の注意
ご来院日と生理が重ならないようにご注意ください。
組織診では、子宮の組織の一部を採取して精密検査を実施するため、出血が起こります。
そのため、なるべく白い洋服は避け、当日の飲酒、激しい運動は控えてください。
HPVワクチン
(子宮頸がん予防ワクチン)
金沢市の予防接種対象者
接種日時点で金沢市に住民票を登録している、小学6年生~高校1年生相当の女子キャッチアップ接種の対象者(公費で接種できる方)
接種日時点で金沢市に住民票を登録している、1997年度生まれ~2007年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性で、これまで子宮頸がん予防ワクチンを3回接種していない方。※接種期間:2025年3月31 日まで
注意事項
―必ずご確認ください―
ご予約が必要です
当院のホームページまたは公式LINEよりご予約ください。
また、ご来院時に予診票の記入もお願いいたします。
子宮頸がん予防ワクチン
(9価ワクチン)の定期予防接種追加について
2023年4月1日より、子宮頸がん予防ワクチン(9価ワクチン)が新しく定期予防接種の対象となっています。接種で使う接種券については金沢市の「子宮頸がん予防接種について」のページをご確認ください。*1
また、9価ワクチンについては厚生労働省のHPに詳しい説明が載っております。*2
持ち物
- 住所を確認できる書類、保険証
- 接種券
- 母子手帳(ワクチン接種歴を記入するために必要ですが、お持ちでない方は当院で別のワクチン手帳をお渡しします)
- お持ちの場合は予診票
その他
- 18歳以下の方は保護者の方と一緒にお越しください。
- 初回接種後は30分は院内でお待ちいただくため、ご予定の調整をお願いいたします。
※今回キャッチアップ対象とはならない方で、ワクチン接種ご希望の方はも投与可能です。
予めご予約をお願いいたします。(公費対象とならない方の料金:1回32,000円)
*1金沢市:子宮頸がん予防接種について
*2厚生労働省HP:9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(シルガード9)について
子宮頸がん検診とワクチンの
よくある質問
子宮頸がん検診の内容について教えてください。
視診、問診、内診と医師が採取した細胞を用いた細胞診※1を実施します※2 。生理の時は受診をお控えください。
※1ご自身で細胞を採取する自己採取では、子宮頸部から適切に細胞を採取することが難しく、がんを見落としてしまう恐れがあります。
※2がんによる死亡率の低下に繋がるとされている検診メニューです。HPV検査は、新しい検診方法として、対象者や適切な検査体制などを整理し、検診項目に加えるか協議されている途中です。
子宮頸がん検診を毎年受けるべきだと思いますが、2年に1回で良いのでしょうか?
厚生労働省では、20歳以上の女性に対して2年に1回子宮頸がん検診を受けることを推奨しています。
基本的に子宮頸がんの進行スピードは緩やかであり、2~3年かけて前がん病変から進行がん(浸潤がん)に変わるとされています。
受診は2年に1回でも問題ないという報告も多数あり、年1回でも2年に1回でもがんの発症を防ぐ目的としては大きな差はないと考えられています。
子宮頸がんの検査は痛みを伴いますか?
痛みの度合いは人それぞれですが、違和感や痛みを生じる方もいらっしゃいます。
痛みが少ないように気をつけて診察しますが、今までの婦人科診察で痛みが強かった方は小さい器械で診察を行いますので申し出てください。
また、リラックスして診察を受けていただくことも痛みの軽減につながります。
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)を打つべきでしょうか?
HPVワクチンは、子宮頸がんを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐためのワクチンです。
HPVは性交渉によって感染するウイルスで、子宮頸がんの原因として最も多く、感染を防ぐためにはワクチン接種が重要です。
HPVは、性交渉の経験がある女性であればどなたでも感染するリスクがありますので、注意が必要です。
また、子宮頸がんには検診で発見するのが難しいがんもあるため、なるべく早期のワクチン接種が望ましいです。
子宮頸がんワクチンを打つ回数について教えてください。
下記のように、接種するお薬によって接種回数に違いがあります。
ガーダシル
1ヶ月以上の期間をあけて2回目を接種し、2回目の接種から3ヶ月以上の期間をあけて3回目の接種を受けていただきます。
サーバリックス
1ヶ月以上の期間をあけて2回目を接種し、1回目の接種から5ヶ月以上かつ2回目の接種から2.5ヶ月以上の期間をあけて3回目の接種を受けていただきます。
シルガード9
1回目の接種を15歳になるまでに受ける方は、最低でも5ヶ月以上の期間をあけて2回目を接種いただきます(合計2回で終了です)。
1回目の接種を15歳になってから受ける方は、1ヶ月以上の期間をあけて2回目を接種し、2回目の接種から3ヶ月以上の期間をあけて3回目の接種を受けていただきます(合計3回で終了です)。